1998年6月の学校教育法の改正を受けて、1999年4月に初めて公立中高一貫校が開校してから10年あまりが過ぎました。中学・高校の6年間を一貫した教育課程や学習環境の中で学べる、という私立中高一貫校の教育で生じるメリットを採り入れた公的教育を行うべく生まれたのが、公立中高一貫校です。当初2校でスタートした公立中高一貫校も、全国で190校を突破しました。現在では全国のほぼすべての地域で、学校選択の際の有力な選択肢として定着し始めています。
学校教育法の中には、公立中高一貫校の入学者の決定において学力検査を基準として用いてはならない、という条項があり、私立中学入試のような、純粋な学力を試す試験を課すことはできません。その代わりとして、「この学校の教育方針や教育課程に対しての適性があるかどうかを試す」ということで「適性検査」という名称の入学者選抜を行っている学校がほとんどです。
適性検査の形は、学校によりさまざまです。かなり字数の多い作文を課するところや、グループディスカッションを点数化して合否判定に使っているところなど、学校によって準備することや対策の内容は大きく異なります。目指す学校の課す適性検査の内容に合った対策を行うことが大事のはもちろんですが、受検を控えた早い段階で学校を絞り込み、その学校の受検に必要な力をじっくりと作っていくことも非常に大事です。そのために、各学校の情報収集はできるだけ早い段階から行い、6年間の大切な時期を任せる学校をなるべく多くの角度から集めた情報から決めていきましょう。